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Sangiovese

サンジョヴェーゼ

サンジョヴェーゼ (Sangiovese)
                                                                                                                                                                                                                                                                       
ブドウの種別
歴史/概要/解説 歴史:イタリアの品種の中でもっとも知られているサンジョヴェーゼの歴史は長く、魅力的である。サンジョヴェーゼは1970年にイタリア全国ブドウ品種記録書に登録されたが、現在ではイタリアでもっとも多く栽培されている黒ブドウ品種で、7万ヘクタールもの畑が存在しており、イタリアの作付け面積の約10%を占めている。トスカーナ、ロマーニャ、ウンブリア、マルケ、ラツィオ、アブルッツォ、モリーゼ、プーリア、バジリカータ、シチリア、サルデーニャ、カンパーニア州など広範囲に普及している。サンジョヴェーゼを使ったDOCは100以上、DOCG は4つあり、その中にブルネッロ・ディ・モンタルチーノがある。
サンジョヴェーゼの名前の由来や起源を特定するのは難しいが、最近の遺伝の研究の結果、イタリア南部にてサンジョヴェーゼが歴史的に栽培されてきたことが2004年に明らかとされた。品種学者Vouillamoz氏の説によれば、トスカーナ品種のチリエジョーロとカンパーニア州のマイナー品種カラブレーゼ・モンテヌオーヴォかあるいはパルミーナ・ミラベッラとの自然交配品種である可能性が非常に高いとされる。
かつて、トスカーナではサンジョヴェートと呼ばれていた。1876年にシエナの農業学会によって、キャンティのサンジョヴェート、モンテプルチャーノのプルニョーロ、モンタルチーノのブルネッロとの類似性に関しての証明がなされた。同じサンジョヴェーゼでも50種類以上もの呼称があり、コネリアーノのブドウ栽培研究所はサンジョヴェーゼをサンジョヴェーゼ・ピッコロとサンジョヴェーゼ・グロッソの二つのグループに大別した。主な違いは果粒の大きさ(ピッコロ=小型、グロッソ=大型)である。サンジョヴェーゼ・ピッコロのグループには、Sangiovese Piccolo di MontalcinoとMorellino di Scansanoが含まれる。Brunello、Sangiovese Grosso di Lamole、Sangiovese Montanino、Sangiovese Romagnolo、Sangiovese Marchigiano、Nielluccio(コルシカ島)はサンジョヴェーゼ・グロッソの分類に含まれる。なお、モンテプルチャーノのPrugnolo Gentileはサンジョヴェーゼ・グロッソ類に属していると考えられるが、その後イタリア全国ブドウ品種記録書で単独品種として記録されている。現在では、代表的なバイオタイプ(同系遺伝子型)はトスカーナ型ピッコロのグループ、トスカーナ型グロッソのグループ、そしてロマニョーロ型の3つに分けられる。
モンタルチーノでは古くからワインが造られていたとされるが、エトルリア時代にさかのぼる多くの遺跡がそれを証明している。また、16世紀~18世紀にかけていくつかの書簡にこの土地のワインについての記述が残されている。19世紀前半、伝統的に栽培されてきたブルネッロまたはブルネッリーノと呼ばれていたサンジョヴェーゼの一種から試験的に赤ワインを造ったのがブルネッロ・ディ・モンタルチーノの始まりである。1870年、このワインの父祖とも言われるクレメンティ・サンティ氏が造ったブルネッロ・ディ・モンタルチーノが国際的な賞を受賞し、19世紀後半には3代目当主のフェルッチョ・ビオンディ・サンティ氏が多くのクローンの中からブルネッロと呼ばれているサンジョヴェーゼ・グロッソのみを用いたワインを造る研究を開始し、格調高くエレガンスを纏った重厚なワインを造り上げることに成功した。1966年に最初にDOCを与えられた8つのワインのひとつに選ばれ、1980年にはイタリア初のDOCGに認められた。1999年には米国の有力雑誌『ワインスペクテーター』が20世紀のベスト12ワインのひとつにブルネッロ・ディ・モンタルチーノを選び、2006年には世界ランク第一位の栄冠を与えた。

房:サンジョヴェーゼ・グロッソの房は一つあるいは二つの岐肩の付いた長めの円錐形あるいはピラミッド型で、やや密着型。果粒は中サイズで卵型。果皮は黒がかった濃い紫色をしており、蠟質が多くみられ、あまり厚くないもののしっかりしている。バイオタイプにより差はあるが、一般的には9月末~10月の頭に成熟。

葉:サンジョヴェーゼ・グロッソの葉は大きさが中程度で、五角形、五裂している。表面はつやのある薄い緑色で、毛はない。葉の裏は更に薄い緑色となる。

外観:透明感のあるややオレンジがかったガーネット色で、濃淡は中程度からやや淡いものが多い。輝きはあるが落ち着いた印象で、粘性は強い。
栽培面積(ヘクタール) 71,558 ha
原産地呼称 DOCG Brunello di Montalcino/DOCG Chianti/DOCG Conero/DOCG Morellino di Scansano/DOCG Torgiano Rosso Riserva/DOCG Vino Nobile di Montepulciano/DOCG Carmignano/DOCG Chianti Classico/DOCG Montecucco Sangiovese/DOCG Suvereto/DOCGVal di Cornia Rosso/DOCGColline Teramane Montepulciano d'Abruzzo.
DOC : Alcamo, Alghero, Amelia, Aprilia, Arborea, Assisi, Barco Reale di Carmignano, Bolgheri, Botticino, Brindisi, Cacc'e' Mmitte di Lucera, Candia dei Colli Apuani, Capalbio, Capriano del Colle, Castel san Lorenzo, Castelli Romani, Cerveteri, Cilento, Circeo, Colli Altotiberini, Colli d'Imola, Colli del Trasimeno o Trasimeno, Colli dell'Etruria Centrale, Colli della Sabina, Colli di Faenza, Colli di Luni, Colli di Rimini, Colli Etruschi Viterbesi o Tuscia, Colli Lanuvini, Colli Maceratesi, Colli Martani, Colli Perugini, Colli Pesaresi, Colli Romagna Centrale, Colli Tortonesi, Colline di Levanto, Colline Lucchesi, Cortona, Delia Nivolelli, Elba, Esino, Gioia del Colle, Grance Senesi, Grottino di Roccanova, Lago di Corbara, Leverano, Lizzano, Maremma Toscana, Matera, Menfi, Molise , Monreale, Montecarlo, Montecucco, Montefalco, Monteregio di Massa Marittima, Montescudaio, Nettuno, Orcia, Orta Nova, Parrina, Pomino, Reggiano, Roma, Romagna, Rosso di Cerignola, Rosso di Montalcino, Rosso di Montepulciano, Rosso Orvietano o Orvietano Rosso, Rosso Piceno o Piceno, Sambuca di Sicilia, San Gimignano, San Ginesio, San Severo, San Torpè, Sannio, Sant'Antimo, Santa Margherita di Belice, Sciacca, Sicilia, Sovana, Tarquinia, Terratico di Bibbona, Terre di Casole, Terre di Cosenza, Terre di Pisa, Terre Tollesi, Todi, Torgiano, Val d'Arbia, Val d'Arno di Sopra, Val di Cornia, Val Polcevera, Valdichiana Toscana, Valdinievole, Velletri, Vignanello, Vin santo del Chianti, Vin santo del Chianti Classico, Vin santo di Carmignano, Vin santo di Montepulciano, Riviera del Garda Classico.
ワインの特徴 グロッソタイプを使ったブルネッロ・ディ・モンタルチーノの場合、ガーネットがかったルビー色、フルーティーさにバニラや下草のニュアンスも感じられる複雑な香りが長く持続し、タンニンがしっかりしている。ストラクチャーとアルコールのボリュームを持ち、エレガントでバランスが取れている。適切なサービス温度は18~20℃で、新しいヴィンテージにはデカンタージュがお勧め。
香りの要素 フルーツの香りは、ラズベリーやチェリー、プラムなどの赤い果実が中心で、よく熟した状態からコンポートまたはリキュール漬けといった甘やかな印象、ブラックベリーやブラックチェリーなどの黒い果実を感じられるものもあった。その他、バニラ、シナモン、甘草、ブラックペッパーなどの豊富なスパイス、さらに、なめし革、タバコ、紅茶、スモーク、ドライのバラやオレガノ、森の下草、きのこ、杉、鉄など、香りの要素は複雑で枚挙にいとまがない。
Vino Hayashi
サジェスチョン
(アッビナメント)
Tagliata di Chianina(キアニーナ牛のタリアータ)/ Bistecca alla Fiorentina(ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ)/ Tagliatelle ai funghi porcini (プチーニ茸のタリアテッレ)/ Pecorino stagionato(熟成したペコリーノチーズ)/ Tartufo Nero(黒トリュフをかけた料理)。
ジビエ / 牛肉のグリルなど。2014年のようなデリケートなヴィンテージはサーモンなどの魚料理にも合わせられる。
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