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Nuragus

ヌラグス

ヌラグス (Nuragus)
                                                                                                                                                                                                                                                                       
ブドウの種別
歴史/概要/解説 歴史:ヌラグスはサルデーニャ島で最も多く栽培されている白ブドウの品種で、かつては島のブドウ畑の総面積の40%を占めるまでに至ったが、徐々に減少の傾向がある。
その起源は非常に古く、紀元前12世紀頃最初に島に到着したフェニキア人の航海士により持ち込まれたと考えられている。かつてこの品種が広く普及したのは、あらゆるタイプの土壌への適応性、疫病や寄生虫への耐性、そしてとりわけその生産性の高さが理由とされる。
名前の由来は、その形状から、サルデーニャで有名な新石器時代の石造りの遺跡「ヌラーゲ」であるという説が有力である。
19世紀のフィロキセラ禍の後、ヌラグスは栽培が非常に容易であることから好んで植え替えられた。しかしながらその手軽さが仇となり、バランスの悪いワインが多く生み出される結果となった。生産者たちは品種特性を維持しながら、収穫量を制限することで品質改善を目指した。伝統的仕立てはアルベレッロ(株仕立て)であるが、スパッリエーラ(垣根仕立て)を採用するとワインの品質が向上するとされる。
1970年にイタリア全国ブドウ品種記録書に登録された。

房:果房は中程度かやや大きめで密着している。円すい形、あるいは円筒円すい形で岐肩をひとつ持つことが多い。果粒の大きさは中程度で、やや卵型。果皮は厚くて黄緑色~黄金色、蝋粉で覆われている。サルデーニャ島においては一番遅く収穫される白品種で、9月の終わり~10月初旬に成熟する。

葉:葉の大きさは中程度、丸みを帯びており五裂、まれに三裂している。

外観:淡いレモンイエロー色(麦わら色)を基本とし、少しグリーンがかっている。粘性は中程度~やや弱い。
栽培面積(ヘクタール) 1,345 ha
シノニム Granazza/Garnaccia/Meragus/Abbondosa/Nuragus Trebbiana/Axina de Margiai/Axina de Popurus/Preni Tineddus/Axina Scacciadeppidus/Axina de Is Paberus/Burdu/Bruscu Biancu
原産地呼称 DOC Nuragus di Cagliari
Vino Hayashi
アナライズ
糖度 6.39%
酸度 0.58%
塩分濃度 0.08%
※Vino Hayashiが試飲した8本の平均値
ワインの特徴 緑がかった淡い麦わら色。香りは白い花や青リンゴ、柑橘系のニュアンスがある。しっかりとしたアルコールと良質な酸が感じられ、フレッシュさとミネラル感のバランスが良い。スプマンテや微発泡、中甘口も造られ、また酒精強化酒やベルモットのベースワインにも使用される。
香りの要素 香りは控えめでニュートラル、シンプルである。果実の香りはブドウの成熟度の違いにより開きはあるが、ベースとして柑橘類やリンゴがある。爽やかなものは、青リンゴ、ライム、レモンなど、フルーティーなものは、黄リンゴ、グレープフルーツ、洋ナシなど。白い花やハーブの香りもとることができた。また、生アーモンドやはちみつの香りを確認できるものもあり、かすかに磯のニュアンスも感じられた。
Vino Hayashi
サジェスチョン
(アッビナメント)
Fregula con arselle(アサリのフレグラ)/Acqua pazza(魚介のスープ仕立て)/Spaghetti con frutti di mare(魚介のパスタ)。
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