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Grechetto

グレケット

グレケット (Grechetto)
                                                                                                                                                                                                                                                                       
ブドウの種別
歴史/概要/解説 歴史:グレケットは、主にウンブリア州を中 心とした 中 部イタリアで栽培されている土着の白ブドウ品種である。中世には、特徴の異なる様々なブドウ品種とともに植樹され、当時東地中海で造られていたようなワインが生産されていた。名前の通り、ギリシャ人に植民地化されていた歴史的背景をもつ 南 イタリアから伝 わったブドウとされる。※1
ウンブリア州に分布するグレケットの生態に関しては、19世紀から20世紀にかけて多くのブドウ品種学の研究対象の一つとされた。1970年にグレケットはイタリア全国ブドウ品種登録書に登録されるが、1975年より始まったペルージャ大学のl'istituto di Coltivazioni Arboree※2 の長期にわたる綿密な研究により、グレケットを“グレ ケット・ディ・オルヴィエ ート”(クローンG109)、及び“グレケット・ディ・トー ディ”(クローンG5)の2つのクローンと識別するに至った。
グレ ケット・ディ・オル ヴィエ ートは“グレ ケット”、グレ ケット・ディ・トー ディは“グレケット・ジェンティーレ”と登録されることとなったが、更なるDNAの解析によりグレケット・ジェンティーレは、エミリア=ロマーニャ州で知られる“ピニョレット”と同一の品種であることも判明している。
グレケットは、主にオルヴィエート近郊やテルニ県、ペルージャ県の西、ラツィオ州の近くで栽培がされているが、グレケット・ジェンティーレの栽培範囲はより狭く、主にペルージャ県内とされる。

※1 グレコ、グレケットなどグレーチャ(ギリシャ)に由来する品種名
※2 植物栽培に関する専門機関

房:果房は中程度の大きさ、ピラミッド形でややコンパクトな形状。果粒の大きさは中程度か小さめで楕円形や丸みのある形をしている。皮は中程度の厚さで、明るめの黄緑色をしている。通常9月中旬頃に成熟する。通常グレケット・ディ・オルヴィエートはトーディ産よりも生 産されている。

葉:大きさは中型。丸みを帯びた形で三裂か五裂。表面は深い緑色、ざらつきがある。

外観:オレンジワインを除き、中程度からやや濃いイエロー色を基本とする。若いヴィンテージのものが多く、おおよそグリーンがかっている。粘性は中程度からやや高め。
栽培面積(ヘクタール) 1,501 ha
シノニム Grechetto Nostrale/Greco Spoletino/Greco Bianco di Perugia/Grechetto Bianco/Stroppa Volpe/Pulcinculo Bianco/Pulce/Greco/Pizzinculo/Strozzavolpe/Occhietto/Montanarino Bianco/Grecherello/Pistillo/Grechetto di Todi/Greco Gentile/Montanaro/Uva di San Marino
原産地呼称 DOC Amelia/DOC Assisi/DOC Colli Etruschi Viterbesi/DOC Colli Martani/DOC Colli Perugini/DOC Cortona/DOC Lago di Corbara/DOC Montecucco/DOC Montefalco/DOC Orvieto/DOC Todi/DOC Val d'Arbia/DOC Vina Santo di Montepulciano/DOC Bianco di Pitigliano/DOC Colli Maceratesi/DOC Colline Lucchesi/DOC Valdichiana
Vino Hayashi
アナライズ
糖度 6.33%
酸度 0.70%
塩分濃度 0.06%
※Vino Hayashiが試飲した12本の平均値
ワインの特徴 ワインは白ワインで、辛口から甘口ワインまで幅広く嗜まれているが、多くはやや色合いの濃い麦わら色、果実味も良好で上品な香りを持つ白ワインである。生産性のあるワイン造りもあり、他の品種にグレケットを加えて良質に仕上げることも多い。特筆する事項としては、紀元前からのワイン造りの歴史をもつオルヴィエートのエリアで生産されている"Muffa Nobile"(ムッファ・ノービレ)というタイプの甘口ワインである。“高貴なカビ”と称される甘口ワインは、秋に深くなる霧とその湿度の関係でブドウに発生するボトリティス・シネレア菌の働きによって生産される貴腐ワインとして世界的な評価を受けている。
香りの要素 香り豊かで、ライム、レモンなどの柑橘類、リンゴ(青リンゴ~黄リンゴ)、白い花(アカシア、スイカズラなど)の香りが基本となる。カモミール、レモンバーム、ういきょうなどのハーブ、そしてミネラルの香りがある。
Vino Hayashi
サジェスチョン
(アッビナメント)
Rollata di Coniglio(ウサギ肉のロッラータ)/Vitello Tonnato(ヴィテッロ・トンナート)。
魚介フリット/バーニャ・カウダ/フレッシュ~中期熟成したチーズなど。
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