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Garganega

ガルガーネガ

ガルガーネガ (Garganega)
                                                                                                                                                                                                                                                                       
ブドウの種別
歴史/概要/解説 歴史:ガルガーネガの起源はギリシャと言われている。ヴェネト州ヴェローナ県では最も重要な白ブドウ品種の一つで、この地域の著名なワインの中でも重要なパーセンテージを占める。1495年、農学者Pier de' Crescenzi氏が著書『農業概論』においてこのブドウ品種を2種類に分け、「そのうち『femmina(雌の意)』は生産性が高く、『mascolino(雄の意)』はそれに比べて奮わない」とし、その中でも前者の方が今日のガルガーネガの祖先である可能性が高いと考えられている。この書の中では、このブドウはガルガーニカ(Garganica)と呼ばれ、ヴェネツィア、ヴェローナ、コッリ・エウガネイあたりで1000年頃から栽培されていた、とある。また、古くから甘口やパッシートを造るブドウとして認められており、パドヴァやボローニャなどにおいて高貴なワインとみなされていたとも記されている。

学者Cosmo氏 (1939年)は自著の中で、Perez 氏(1886年) によってすでに研究されていたガルガーネガ・ビアンカというブドウ品種について言及している。しかしながら、このシノニムについては近年ではガルガーネガとは別のものであると考えられている。また、Cosmo氏は同書の中で、ガルガーネガの全ての種類は2つの根本的に異なるブドウ品種に辿り着くとの結論を出している。それが主にワイン用ブドウ品種の「ガルガーネガ・コムーネまたはガルガーネガ」と、かつて食用ブドウとして利用され現在ではほぼ消滅した「ガルガーネガ・グロッサまたはガルガネゴーナ」である。これらの区分は今日でも正しいと考えられていて、一般的にガルガーネガとはワイン用として使われているブドウ品種を指す。

シチリアのグレカニコという品種はガルガーネガによく似た特徴をもっており、同一あるいは派生品種であるという説もある。1970年、正式に国のブドウ品種として登録がされる。

房:果房のサイズは大きく、円筒またはピラミッド状の形で羽が生えたような岐肩(1つまたは2つの大きな翼) を持つ。長さは25センチ以上にもなり、500gを超えることもある。果粒は中程度の大きさで、楕円形が少し押しつぶされた形状。果皮は厚くないが硬く、表面が蠟質の白い粉で覆われている。 実は黄金色で成熟していくと錆色(赤茶色)に変化していく。収穫は主に9月の前半に行われるが、最近では収穫の時期を遅らせる生産者が多い。

葉:葉の大きさは中程度でやや細長い五角形で五裂している。表面に毛はなく、光沢のない明るい緑色でブツブツしている。裏面はやや灰色がかった緑色で、少し突き出た葉脈が蜘蛛の巣状となっている。
栽培面積(ヘクタール) 1,1292ha(2010)
シノニム Garganega di Gambellara/Oro/Biancazza d'Oro/Garganega Comune/Uva della Madonna
原産地呼称 DOCG Recioto di Gambellara/DOCG Recioto di Soave/DOCG Soave Superiore/DOC Arcole/DOC Colli Berici/DOC Colli Euganei/DOC Gambellara/DOC Garda/DOC Garda Colli Mantovani/DOC Monti Lessini/DOC Soave/DOC Vicenza/DOC Custoza/DOC Valdadige/DOC Delle Venezie
ワインの特徴 全体的に酸は控えめで、バランスの良いものは中盤から酸が伸びる。塩味系や硬質系のミネラルではなく太く存在するミネラルといった印象。酸と果実味が突出しないが故、ミネラルの印象が強く残るとも考えられる。アルコール度数も総じて低めで、ボディ感もそこまで強くないせいか、樽熟するとその要素がはっきりと現れる。一方で、品種自体の個性が強すぎないため、生産者のフィロソフィーで様々なスタイルのワインが造ることができる。
いずれにせよ、心地よい香りが共通しており、フードフレンドリーなワインであることに異存はない。
香りの要素 香りには柑橘、桃やトロピカルフルーツに、ハーブやハチミツなどが感じられるものが多い。ソーヴィニヨンに似ていると思わせるものもある。
Vino Hayashi
サジェスチョン
(アッビナメント)
手長海老のリングイネ/ボッタルガのスパゲッティ/鴨肉またはイワシのビーゴリ/サフランのリゾット(リゾット・アッラ・ミラネーゼ)/チーズのパスタまたはリゾット/鶏肉・豚肉のメインデッシュ/カポナータ/ペペロナータ(パプリカのオイル漬け)/茄子のパルメザンチーズ焼き/ホタテ・貝類の料理/天ぷらなどのアジア料理/お寿司・刺身

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