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Fiano

フィアーノ

フィアーノ (Fiano)
                                                                                                                                                                                                                                                                       
ブドウの種別
歴史/概要/解説 歴史: フィアーノ種はカンパーニア州の他の古代品種と同じく、数世紀に渡って研究者たちの間でその起源について常に議論がなされているブドウ品種のひとつである。古代ローマの博物学者プリニウスや農学者コルメッラがフィアーノというブドウ品種を指す言葉として「Viti apiane」を引用していたとする説がある。これは、ラテン語の“vitis apianis”という「蜂(api)が完熟したブドウ(viti=ブドウの学名)に群がる様」を意味する言葉が由来となったと考えられていた。しかし、ワイン醸造や農学の研究者たち、例えば16世紀にはバッチ氏、18世紀にはニコジア氏、そして20世紀にはカルルッチ氏が、このブドウ品種はマスカット種に類似しており、フィアーノと同一品種とは断定出来ないという否定的な見解を示している。

歴史上初めてフィアーノという言葉が引用されたのは13世紀前半になってからで、当時のシチリア王フェデリコ2世がフィアーノ好きで知られており、当時の彼のワイン発注書にGreco(グレコ)、Grecisco(グレチスコ)と並んでFiano(フィアーノ)という名前が度々登場している。13世紀後半にはシチリア王カルロ2世が、当時統治していた現在のプーリア州フォッジャ県マンフレドニアにあった自身の畑にフィアーノのブドウの樹16,000本を植樹させ、広く栽培されるようになった。
その後1656年になって農業研究者ベッラ・ボーナ氏が、現在のLapioにあたるApiaという地域がApianoあるいはFianoと呼ばれるブドウ品種の生産に最適であると提言した。このように品種名はこの地名に由来し変化していったとする説が有力である。この品種は一時期減少していったが、1970年代、アントニオ・マストロベラルディーノ氏の手により絶滅の危機から逃れた。

房:果房のサイズは小~中程度で円錐形、岐肩は大きい。果粒も中程度の大きさの楕円形で、密着度はさほど高くない。 果皮は黄金色で、日射の多い部分だけ琥珀色の斑点がみられ、わずかに蠟質で覆われている。 また、非常に厚い果皮のため、病害、特にボトリティスに耐性がある。一般的に収穫時期は他品種と比べて遅めの10月初旬。

葉:葉の大きさは中程度で、丸みを帯び三裂あるいは五裂している。表面には毛がなく、鮮やかな緑色。
栽培面積(ヘクタール) 1,377ha(2010)
シノニム Latino/Fiore Mendillo/Fiana/Foiana/Santa Sofia/Latino Bianco/MInutola
原産地呼称 DOCG Fiano di Avellino/DOC Cilento/DOC Irpinia/DOC Sannio/DOC Brindisi/DOC Leverano/DOC Locorotondo/DOC Salice Salentino/DOC Squinzano/DOC Terra d'Otranto/DOC Contessa Entellina/DOC Menfi/DOC SIcilia/DOC Molise
ワインの特徴 ミネラルとのバランスが良いため、酸がおだやかに感じられる。程よいボリューム感を持ち、余韻にアカシアのはちみつなどが感じられる。
樽熟させるとアプリコットやマンゴーなどの甘いニュアンスが出やすい。完熟したクオリティの高いブドウを、上品に適正な樽で熟成するならばそのポテンシャルを発揮する。
ただし、強くトーストしたオークの樽などでバニラ香をつけすぎると品種の良さであるエレガントさが薄れてしまう。
香りの要素 白い花、青いバナナ、熟していない洋ナシ、リンゴ、ハーブ、ローストナッツなどの香り。
Vino Hayashi
サジェスチョン
(アッビナメント)
魚介系のシンプルな前菜、アックアパッツァやオマールエビ。栗のクリーム仕立てのショートパスタやキノコのクリームソースで仕上げた豚や鶏のメイン料理。

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