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Falanghina

ファランギーナ

ファランギーナ (Falanghina)
                                                                                                                                                                                                                                                                       
ブドウの種別
歴史/概要/解説 歴史:ファランギーナはアリアニコに並んで、カンパーニア州で最も古く、歴史的に土地に根付いた品種である。他の品種同様、ギリシャ人入植者によって持ち込まれたと考えられている。
カゼルタのエリアではこの品種をUvaFalernaやFalerninaと呼ぶが、これは歴史の古い伝説的なファレルノのワイン生産に使用されていたからという説もあるが、確証はない。ファランギーナという名称は、木のつるがよく伸びる性質から、伝統的に「ファランジェ/ファランゲ(falange/falangae)」と呼ばれる支柱に結ばれていたため、そう呼ばれるようになったとされる。Fallanghina(ファッランギーナ)やFalanchina(ファランチーナ)など多くのシノニムが存在するが、Biancuzita(ビアンクツィータ)を除いて、単純な方言の語尾変化の結果である。なお、Biancuzita(その他Biancazita/Biancozitaとも呼ばれる)は近年の遺伝
子 分 析 によると、主 に ア マ ル フィで 栽 培 さ れ るGinestra種のシノニムである可能性が高い。
現在ではファランギーナは大きく分けて2種類あるとされ、カンピ・フレグレイ地域を中心に栽培されるFalanghina Flegrea(ファランギーナ・フレグレア)とベネヴェントのボネアが起源といわれるFalanghina Beneventana(ファランギーナ・ベネヴェンターナ)は遺伝子型的に別の品種として捉えられている。しかしながら、1970年に登録されたイタリア全国ブドウ品種記録書においては区別されていない。
ファランギーナは19世紀に繫栄した後、フィロキセラ禍で栽培は一気に減少したが、次第に復活を遂げた。マッシコのエリアでフランチェスコ・アヴァッローネ氏が1970年頃にファレルノの麓で再発見し、栽培を拡大した。また、マルトゥシェッロ家がアヴェルノ湖の斜面で樹齢百年以上のプレ・フィロキセラの数株の樹を発見し、カンピ・フレグレイのエリアに拡大していった。あまりフィロキセラの影響を受けなかった数少ない品種のひとつであることから、多くの場合自根で栽培されている。

房:ファランギーナ・フレグレアの果房は長めで中くらいのサイズ(150~250g)の円筒形で、時に円すい形で小さな岐肩がひとつある場合がある。果粒は中くらいの大きさの長球で粒がそろっている。果皮はグレーがかった黄色で、厚く丈夫でしっかりと蝋粉に覆われている。ファランギーナ・ベネヴェンターナは岐肩がひとつある円すいピラミッド形で密着型。果粒はフレグレアに比べより楕円形で緑黄色である。共に比較的晩熟で通常9月末頃に成熟。

葉:サイズは小~中サイズ、楔形で三裂(稀に五裂)している。表面は無毛。

外観:濃淡は淡い~中程度のレモンイエロー色を基調とし、嫌気的に醸造された若いヴィンテージのものはグリーンがかっている。一部マセラシオンをしたり、樽熟成をしたものは黄金色がかっていた。粘性は中程度~やや強い。
栽培面積(ヘクタール) 3,037 ha
シノニム Fallanghina/Falanchina/Fallanchina/Falenghina/Fallenghina/Falanghina Verace/Falernina/Uva Falerna/Falerno Veronese/Biancuzita
原産地呼称 DOC Campi Flegrei/DOC Falanghina del Sannio/DOC Capri/DOC Costa d’Amalfi/DOC Falerno del Massico/DOC Galluccio/DOC Irpinia/DOC Molise/DOC Penisola Sorrentina/DOC San Severo/DOC Sannio/DOCG Terre Tollesi/DOC Vesuvio/DOC Pentro di Isernia
Vino Hayashi
アナライズ
糖度 7.04%
酸度 0.73%
塩分濃度 0.06%
※Vino Hayashiが試飲した11本の平均値
ワインの特徴 りんごやアロマティックハーブなどの華やかな香りに、白コショウのようなニュアンスも。すっきりとした酸に支えられた上品な味わいが特徴。本来の香りを生かすため、木樽ではなく、主にステンレス製の容器で熟成される。香り高く飲みやすいフレッシュタイプから、長期熟成タイプまで幅広いワインを生む。また、スパークリングワインの生産にもよく使用される。
香りの要素 レモンや青りんごのような香りを中心とする涼やかなものから、トロピカルフルーツのような完熟した果実の香りを持つものまで、幅広い果実のトーンがあった。テロワールや栽培・醸造方法によって大きく印象を変えるようだ。冷涼なトーンのワインはフローラルな印象が強く、白い花(アカシア、ジャスミン、オレンジの花)の香りが特徴的だった。また、多くのワインから共通して感じられたのは、ハーブや野菜のような優しい緑のニュアンス。その他、はちみつやスパイス、アーモンド、濡れた石の要素も感じられた。
Vino Hayashi
サジェスチョン
(アッビナメント)
Pollo alla cacciatora alla napoletana(ナポリ風鶏肉のカッチャトーラ)/Mozzarella di bufala(水牛のモッツァレッラ・チーズ)/Pesce spada alla piastra(メカジキのグリル)/Insalata di baccalà(鱈の塩漬け・パプリカ・カリフラワー・オリーブ・ポテトのサラダ)

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