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Carignano

カリニャーノ

カリニャーノ (Carignano)
                                                                                                                                                                                                                                                                       
ブドウの種別
歴史/概要/解説 歴史:カリニャーノは西地中海の周辺で広く栽培されている黒ブドウ品種である。スペインではカリニェーナ、フランスではカリニャンと呼ばれている。スペインではカタルーニャ地方、フランスではラングドック・ルーションで特に多く栽培される。
カリニャーノはおそらくスペイン系の品種とされる説が濃厚である。1937年のDe Astis氏の論文によると、スペイン原産で、フランスに持ち込まれたあとコルシカ島に移り、14世紀頃アラゴン王国がサルデーニャ島を支配していた時にカリアリ近郊に持ち込まれたとされる。これはサルデーニャの農民たちがカリニャーノのブドウのことをUva di Spagna(ウーヴァ・ディ・スパーニャ)と呼んでいることからも裏付けられる。他には、サンタンティオコ島に遺跡が残っているスルチス の開拓者であるフェニキア人によって、紀元前6世紀頃にこの苗木がカラゼッタなどの海岸付近に植え付けられ、次第に内陸地にも広がったという説もあるが、確証はない。
海岸地帯の畑はフィロキセラの被害を免れ、自根で栽培されているものも多い。生産性も高く海風にも耐性があるが、うどんこ病、べと病などに弱く、寄生虫にも耐性があまりない。また、新梢にしっかりと房がつくため機械収穫は難しく、垣根仕立てではなく株仕立てでの栽培が好まれる。発芽と成熟が遅いので南国での栽培に適しているが、寒いエリアでは栽培が難しい。
色素が濃くタンニンが豊富なため、かつてはブレンド用のブドウとして使用されることが多かったが、近年では単一での醸造も多くなった。
1970年にイタリア全国ブドウ品種記録書に登録された。


房:果房は中くらいのサイズのピラミッド形で、ややコンパクト、岐肩がひとつかふたつある。果粒は中くらいの大きさの卵形。果皮は濃い青色で、やや厚くしっかりと蝋粉に覆われている。成熟は通常9月中頃。

葉:サイズは中くらいの五角形で五裂している。

外観:濃淡は中程度のルビー色を基調とする。若いワインによく見られるような紫色はあまり強くない。粘性は強い。
栽培面積(ヘクタール) 1645 ha
シノニム Uva di Spagna/Cariñena/Mazuela/Carignan/Bois Dur
原産地呼称 DOC Carignano del Sulcis/DOC Sicilia
Vino Hayashi
アナライズ
糖度 7.04%
酸度 1.09%
塩分濃度 0.09%
※Vino Hayashiが試飲した8本の平均値
ワインの特徴 地中海灌木やハーブのニュアンスに、なめし革や鉄なども。濃厚な果実味と豊かなアルコールを持つ力強い赤ワインとなるが、甘く丸みがあるタンニンのおかげで飲み口はなめらかに感じる。ノヴェッロも生産される。
香りの要素 赤い果実(ラズベリー、レッドチェリーなど)の香りが中心だが、より凝縮度の高いワインからは黒い果実も感じ取ることができた。いずれも、よく熟して潰れたような、ジャムやコンポートにしたような甘やかなニュアンスである。スパイスはブラックペッパーと、甘草、クローブなど、他には鉄っぽさや赤い花(バラや牡丹など)の印象を持つものもあった。また全体を通して感じられたのがローズマリー、タイム、ミルトなどの低木ハーブの香り。ミルトはサルデーニャに多く自生する芳香のある植物である。
Vino Hayashi
サジェスチョン
(アッビナメント)
Primi piatti a base di sughi di carne(肉のソースのパスタ)/Arrosti di carne(肉のロースト)/Filetto di tonno(マグロのソテー)/Pesce e frutti di mare(魚介料理)
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