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Aglianico

アリアニコ

アリアニコ (Aglianico)
                                                                                                                                                                                                                                                                       
ブドウの種別
歴史/概要/解説 歴史:アリアニコは何世紀にもわたって数多くのバイオタイプや亜種に細分化されてきたが、イタリアに古くから存在する品種だというのは唯一確かなことである。また、各バイオタイプごとに間違ったものも含め幾多のシノニムが存在し、それはさらなる混乱を招いた。

おそらく、歴史的な「viti aminee(アミネー科ブドウ)」の中に多くの異なる品種が含まれたと考えられる。古代ローマの政治家プリニウス氏とコルメッラ氏はアミネー科ブドウを5~6種に分類していた。明確な答えを出すことはできないのが前提ではあるが、重要な問題は、現在のアリアニコが昔の「カンパーニア・フェリックス(幸多きカンパーニア)」と呼ばれた豊かな土地のワイン、とりわけ古代ローマ帝国時代のファレルノの大地「アジェル・ファレルヌス」を有名にしたワインの品種の一つだったかどうか、そして何らかの形でアミネー科と関連しているのかどうかであると言える。

プリニウス氏は、この品種はカンパーニア州の沿岸と後背地のテロワールに適しているので土着品種であると考察していたが、実際には紀元前8世紀にクーマエやイスキアの開拓者によってギリシャのテッサリア地方からイタリアに持ち込まれ、広まったとされる。その後、古代ローマ時代にカンパーニア州で造られたワインはファレルノのワインと呼ばれるようになり、1500年代半ば以降に初めてMonte Somma(ソンマ山)で造られたワインに対してアリアニコという呼び名が使われたのである。

15世紀まではこの品種は「Hellenico(ギリシャの意)」と呼ばれていたが、やがて「Aglianico」と呼ばれるようになった。この時代、カンパーニア州はアラゴン王朝(スペイン北東部の王国)の植民地であり、スペイン語の「ll」はイタリア語の「gli」と似たように発音するので、このように呼び方が移行したというのはもっともらしい説である。

この長い歴史的観点とコルメッラ氏の言語的要因のみならずブドウ品種の後期熟成についての記述の分析を基に、ブドウ品種学者カルッチ氏は、20世紀初期、アリアニコは古代の神話的ワインのブドウ品種であると明言した。しかしながら、いずれにせよ19世紀のブドウ品種学者たちはこのブドウ品種がなぜこれほど生物学的見地から多歴 史04葉葉の大きさは中程度で、五角形で五裂している。表面に毛はなく、光沢のない濃い緑色。房果房は150~250g程度とかなり小さめで、円筒形か円錐形。1つ、まれに2つの岐肩を持ち、密着度は高い。果粒も小型の円形。果皮は非常に厚く、青みがかった黒あるいは濃い紫色で表面が蠟質の白い粉で覆われている。成熟は10月中旬~11月初旬と遅め。シノニムAglianicone(アリアニコーネ)Guanico(グアニコ)Gesualdo(ジェズアルド)Uva Aglianica(ウーヴァ・アリアニカ)Ellenico(エッレニコ)Uva Nera(ウーヴァ・ネーラ)様であり同義語が豊富であるのか、その起源についての疑問を払拭することには成功していない。

1997年にブドウ品種学者グアダーニョ氏はアリアニコのギリシャ起源説を否定しており、その高い酸度は野生ブドウの典型であると主張している。また、ラテン語の「Juliatico(7月に熟すブドウ)」が名前の由来とも考えられたが、アリアニコの成熟は比較的に遅いためこの説は否定された。1970年にイタリア全国ブドウ品種記録書に登録された。

房:果房は150~250g程度とかなり小さめで、円筒形か円錐形。1つ、まれに2つの岐肩を持ち、密着度は高い。果粒も小型の円形。果皮は非常に厚く、青みがかった黒あるいは濃い紫色で表面が蠟質の白い粉で覆われている。成熟は10月中旬~11月初旬と遅め。

葉:葉の大きさは中程度で、五角形で五裂している。表面に毛はなく、光沢のない濃い緑色。
栽培面積(ヘクタール) 7498ha(2010)
シノニム Aglianicone/Guanico/Gesualdo/Uva Aglianica/Ellenico/Uva Nera
原産地呼称 DOCG Aglianico del Taburno/DOCG Aglianico del Vulture Superiore/DOCG Taurasi/DOC Aglianico del Vulture/DOCCastel del Monte/DOC Cilento/DOC Falerno del Massico/DOC Galluccio/DOC Irpinia/DOC Menfi/DOC Molise/DOC Sannio/DOC Vesuvio/DOC Biferno/DOC Campi Flegrei/DOC Costa d'Amalfi/DOC Penisola Sorrentina/DOC Savuto/DOC Scavigna/DOC Terre di Cosenza
ワインの特徴 ブドウが最高の状態で完熟した場合、糖度は高くなり(22~23%)、また酒石酸も高く、力強いストラクチャーを持つワインとなる。ワインは長期熟成向きで、樽での熟成により品種の特性である強堅なタンニンと酸味が丸くなる。今やカンパーニア州やバジリカータ州で普及しているバリックの使用は、短期間の熟成であってもアリアニコのパワフルさを押さえ、柔らかさを与えるのに効果がある。ワインはルビー色で、長期熟成によりガーネットやオレンジ色のニュアンスが現れる。豊かな味わいにパワフルなタンニンが特徴で、余韻が長く持続する。アリアニコは多くの銘柄においてブレンドでも使われる。
香りの要素 香りは木樽で熟成させていないものは赤~黒系ベリー、梅・しそ、ほんのりスパイスの香りが感じられる。木樽で熟成させたものはチョコレート、コーヒーやタバコなどの焦げたロースト香、熟成が進むにつれ樽香が穏やかになり、甘草、ヨード香、黒トリュフや獣香など複雑な香りが表れる。
Vino Hayashi
サジェスチョン
(アッビナメント)
ロースト・ダック/子羊の香草焼き/旬の野菜とチーズのオーブン焼き/豚肉の照り焼き/各種肉のグリル(特に羊やキジやヤマシギなどの鳥類・イノシシ・シカなど)/長熟タイプのチーズ(パルミジャーノなどの硬いタイプのチーズ)。
Spaghetti alla Puttanesca( スパ ゲッティ・ プッタネスカ)/ Parmigiana di Melanzane(ナスのパルミジャーナ)/ Arrosto di Agnello(子羊のロースト)/ Formaggio stagionato(長期熟成チーズ)/Lasagna Bolognese(ラザニア・ボロネーゼ)/Zuppa di Fagioli, Castagne e Funghi Porcini(白いんげん豆・栗・ポルチーニのスープ)/Pasta e Fagioli con Cotiche(豚皮入り豆パスタ)

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